「キャトルセゾン」のモンブラン

秋も深まってくると、無性に恋しくなるのがモンブラン。
昔はね、嫌いだったの。黄色くて得体の知れないあんこみたいなものがちゅるちゅるちゅる〜とスポンジの上に渦巻いている・・・私が小さい頃のモンブランなんてそんな食べ物だったから。
なにせケーキ屋さんだって不二家ともう1軒しかないような田舎の町だから尚更。。。
で、いつしか時は流れ、ちゃんと栗のペーストで作ったモンブランを目にするようになってからも、大好きなチーズ系やカラメル系に目がいってしまい、特に食指が動かされませんでした。
そんなある日、「ここのモンブラン美味しいのよ」とお隣りの奥さまに戴いたのがこれでした。
小さめの正統的な姿、パティシエの真摯な姿が窺えます。
さて、フォークを手に、まずは栗のペースト・・・これはイケる!そして中の生クリーム・・・濃厚で旨い!そしてそして、しゅわーーっと溶ける土台のイタリアンメレンゲ・・・素晴らしい!の一言
(基本的には私、メレンゲ嫌いなんですけど…ね。これは特別)
その後私はいろんなお店のモンブランを片っ端から試してみました。
特大モンブランが評判のケーキ屋さんAはもちろん、デパ地下でケーキを買う時には必ずモンブランを一つ入れるようにしていました。
然し、最初に食べたモンブランに適うものはありませんでした。
そこで疑問が…。
「うーむ、初めて食べたから感動しただけかも知れない」・・・そう考えた私は、ケーキの箱に貼ってあったシールの住所を頼りにお店に出かけました。
郊外の小さなお店らしく、ウィンドーにはどちらかというとシンプルなケーキが数種類並んでいて、脇にはリーフパイや素朴な焼き菓子が置かれていました。
モンブランはというと、見本の横に「注文を受けてからお作りします」との文字が。更には「できるだけ2時間以内にお召し上がり下さい」と。・・・ここにこだわりが集約されていたのですね。たぶん、かなり繊細なメレンゲなので、時間が経つとメレンゲに水分が染みてふにゃふにゃになってしまうからでしょう。
早速モンブランを注文すると、メレンゲの土台にマロンペーストを絞り出して完成させてくれました。
なかなか「2時間以内」を守ることは難しいのですが、パティシエのその気持ちは痛い程解ります。きっと、寿司屋や焼き鳥屋のご主人が、出したものにお客がなかなか手をつけないと気が気じゃないのと同じなんでしょうね。素人の私でさえ、作った料理になかなか手を付けて貰えないといたたまれない気持ちになりますもの。
2時間以内厳守は無理でも、せめて「早く食べてあげたい」と思う気持ちを忘ないことが、作り手に対する礼儀ではないかと私は思います。
結論としては、何度食べても、何度他のお店のモンブランと比べても、やっぱりここのがイチバンなのです。
考えてみたら、「2時間以内」が十分可能な場所に住んでいてラッキーです。
因みに、他のケーキ達は至って普通。。。私はこの店ではオンリーモンブランです★

キャトルセゾン〔千歳烏山〕03-3309-2701