「サヴォイ」のマルゲリータ

ピザ・・・といえば、一昔前までは、分厚いパンのような生地の上にてんこもりのサラミやらピーマンやらの具がチーズとマトソースにまみれている、見るからに高カロリーのジャンクな食べ物、そしてそれは電話をかけるとお兄さんが笑顔で宅配してくれる物でした。それが、いつしか日本にもピッツェリアなんて名前が広まって、オシャレなお店のオシャレな薪釜で焼いた、パリパリの生地のオシャレな食べ物・・・になりました。アメリカンな食べ物(=ピザ)からイタリアンな食べ物(=ピッツァ)へと甦ったとでも言いましょうか。(といってもアメリカンピザもちっとも廃れていませんけどね!)
そしてそんな時代、まだまだ世間に疎かった私は「ピッツァはパリパリが最高!」と頑なに信じていたのでした。
ある時、やはり食べるのが大好きな友達が「サヴォイのピッツァは生地が厚くてもっちりしていてすごく美味しいのよ」と言うではありませんか。ついついアメリカンピザを思い描いてしまった私は「えぇー、厚い生地?イマイチ興味ないわ〜」・・と気の無い返事。「騙されたと思って一度食べてみて」という友達の言葉に半信半疑のまま「サヴォイ」のドアを初めてくぐったのが、かれこれ7年前。
うわさ通りのシンプルメニュー。ピッツァは『マルゲリータ』『マリナーラ』の2種のみ。前菜も、カプレーゼやプロシュートやブロッコリーを大蒜と唐辛子で炒めたものなどシンプルの極みだし、パスタにおいても、あまりにもオーソドックスなものが数種類のみ。でも、このメニューを見たら、直感的にとっても“当たり”な気がしました。何故なら、よほど自信が無ければこんなに誤魔化しの利かないメニューは出せないと思ったから。
さて、待望のマルゲリータの登場。薪で焼いた香ばしい匂い。第一印象は「うーん、ウマそうじゃん」。
一口頬張った途端、絶句。
・・・「今まで食べてきたピザは一体何だったんだ〜〜〜!!」・・・。
シンプル イズ ベストとは、正にサヴォイの為にある言葉のよう。
スパゲッティボロネーゼや、ブロッコロなどの前菜も、真っ当すぎるほど真っ当で、感心、そして感動です。
通い詰めてしばらくは、もちもち感が最高の生地の美味しさにばかり気を取られていましたが、ボロネーゼを初めて食べた時、気付きました。実は、他のお店と比べてもトマトソースがずば抜けて旨いんです。ごくごく普通なのに、とてもきちんと作っている感じ。作り手の真摯な気持ちが感じ取れる味なのです。
サヴォイを知って以来、私はローマ風のパリパリピッツァには目もくれなくなってしまいました。。。

サヴォイ〔中目黒〕03-3714-5160